
先日、シンガポール人の友達とドローンを飛ばしてきた。Marina South Pier駅の横は、シンガポール国内でも有数のドローン飛行許可エリアだ。
お天気に恵まれ最高の景色。当たり前だけれど周囲は海に囲まれていて、ボートの発着までしっかり撮影できていた。まぁ、今回はドローンの話ではないんだけども。笑
さてそんなガジェット好きの彼は、年に数回必ず日本旅行をエンジョイしている。もはや私より日本人の友達が多いんじゃないかレベル。全く日本語話せないんだけどね。つい先日は、北海道の富良野に行っていたらしい。ドローンを飛ばしながら「日本は稼ぐには最悪の国だけれど、お金を使うには最高な国だよ」と満足気に語っていた。
日本の旅行客が決して安くはない浪費に満足する理由の一つが、サービス業にあると思う。
シンガポール人の多くは「日本の飲食店での接客」を素晴らしくお金を払う価値があるとして、高く評価している。私も、そう思う。
なんなら日本では、何も買わずに店を出ても「ありがとうございました!またお越しください!」と感謝されるもんな。対して待機してもいないのに「申し訳ございません」と謝罪されるし。
一時帰国すると、こういった「店員の神対応」に逐一感心する。
シンガポールあるある?その①食べ終えていない皿を片付けようと急ぐ店員
一方、日本と同じく観光先として人気の高いシンガポール。
残念ながら、シンガポールの接客業は良いとは言えない。笑
例えば先日タイレストランに行った時のこと。
タイ料理の中でも、私が愛してやまないパパイヤサラダをオーダーした。超絶美味いのだが、一気には食べられないほど辛い。同席していた人との会話も弾んでいたので、どうしてもパパイヤサラダを食べる手が止まってしまっていた。
するとものの10分もしない間に、店員さんが近づいてきた。
まだ半分以上もサラダが残っているプレートに手をかけて、一言。
「ゆーふぃにっしゅ?(You finished?)」
待てww
ふぃにっしゅじゃねーよ半分以上も残ってるじゃんかww
「のーのっといぇっと」と言って片付けを制した。すると。
「……チッ」
まさかの!舌打ち!!ww
日本だったらあり得ないけど、シンガポールでは店員が客にキレるのは日常茶飯事だ。
回転率を上げるためなのか、手持ち無沙汰状態を改善するためなのか、シンガポールでは店員さんはやたら頻繁にお皿を下げようとしてくる。
日本なら「お済みのお皿、お下げしてもよろしいでしょうか?」と確認するもんだが、こういう気の利いた呪文を使えるものは少ない。大抵が、「済んだだろ?」という断定形で迫ってくる。
シンガポールあるある?その②頼んだものが出てこない
または、中華料理屋さんに行った時のこと。
シンガポールのレストランでは、メニュー横に「□」があって、その中に「いくつ欲しいか」を記入する形式が多い。

数を書き入れて、「○皿」「○つ」という個数を意味するのだ。
この時は、豆苗ガーリック炒めの欄に「1」と記入した。
ところが。
しばらくして運ばれてきたのは、ほうれん草の生姜炒めだった。しかも2皿。
メニュー番号を見るが、間違いなく注文したのは豆苗ガーリック炒め1皿だ。すかさず同じ店員さんを呼んで、状況を説明した。するとその店員さんは注文表を確認して…
「…………はー」
ため息!!ww
そーりーどころか目も合わせずほうれん草の生姜炒めを回収して、厨房の奥に消えた。自分の間違いに落胆するどころか「うわーこの客気付かなきゃよかったのにー」的な面倒臭さがだだ漏れっていう。これもシンガポールあるあるなので、特に悪気があるのではなく、そういう国民性なんだろう(多分)。
シンガポールあるある?その➂メニューを選ばせてくれない
最後にもう一つ。先日、昔の同僚4人としゃぶしゃぶ屋さんに行った時のお話。
若い女性店員が対応してくれたんだけど、強かった。笑
お鍋が2つに分かれていて、6種類のスープの中から好きなものを2つ選べるというので、「ゆずコラーゲン」「醤油」「トムヤムスープ」「塩」…どれも惹かれるチョイスの中から決めあぐねること、ほんの5秒くらい。
メニューを覗き込んでいた私たちに店員さんの声が降り注いだ。
「しょーゆ、すぱいす、OK?」
いや、勝手に決めるなってww
シンガポールの店員さんは待つことが嫌いだ。「さっさと決めなければこっちが決める」というスタンスで接客してくる。
神扱いされないなら神気取りもしなくていい手軽さ
残念ながらこれがシンガポールのサービスあるあるだ。
海外で日本の接客クオリティを求めるのは間違っているかもしれないけれど、アメリカ合衆国では必要以上にフレンドリーな笑顔で「はぁ〜い♪」と挨拶してくれるし、ドイツでは皆んな働き者で無駄がない印象を受けた。
それに比べ、「笑顔なし・間違い過多・勝手にキレる」の三拍子が揃うシンガポールは一体なんなんだ。「ダルいけどあんたたちのために仕方なく働いてやってるんだ」というような確固たる意思さえ感じる。
理由の一つは、多分、賃金の低さ。シンガポールでは学生のアルバイトがあまり推奨されておらず、市街のマックで働いても時給5ドル程度しかもらえない。日本では人気のスタバも、6ドル程度だという。日本円にして時給500円弱。そんななけなしのお金のために笑顔の仮面をかぶってお客様を神様扱いできるかーい!というのが本音だろう。
「お客様は神様です」が浸透している日本からシンガポールにやってくると、この国の接客業のクオリティの低さに愕然とする。
だけど、個人的にはこういう気の抜けた接客もアリだと思っている。
お客様として神扱いされないぶん、こちらも素でいられる。無駄に丁寧にしなきゃ!というプレッシャーも何も感じない。
観光としてシンガポールを訪れる人たちにはどう映っているのか、ちょっと気になるけど、この気楽が逆に良いのかもしれない。
