
ドン・キホーテ、高島屋、富寿司…日本にいるもんだと錯覚を起こしそうになるほど、日本文化へのアクセスが良いシンガポール。「べんとう」とか「ぐでたま」という単語も余裕で通じる。
それでも現地で話されているのは中国語か英語が主流で、中国語の話せない私は当然、業務や生活に関わることは全て英語で(最低限は。笑)こなしていた。
自分は海外で生まれ育ったわけではない。名の知れた有名インター校の学士号を持っているわけでもないし、卒業前だから就労経験もなかった。
やはり苦労したのは、現地採用されることだ。
この「ないものづくし」の新卒ペーペー、かつド文系。かろうじて持っていたものは、英語科の中高教員免許と、TESOLというこれまた英語教授法の証明書。あとは採用担当者から「特出するレベルじゃないから書かない方がいいよ」って躊躇なく刃を刺された英検2級。
つまり飛び抜けた英語力がなければ、専門性という専門性もなかったのよね。泣
↓だから必死でした、こんな感じで…。

どこの国でもいいから雇ってー!的な。
そんな当時22歳だった私には「知恵」を絞れるIQはなかったんで、代わりに変な小技を使う「ズル賢さ」で乗り切ろうとしてた。笑
でも、どこかに拾ってもらうために色々「小技」を考える中で、自分の意外な「持ち物」を評価されたことがある。
面接の最中だった。
それが、こちらである↓
日本語が使えることを逆手に取る
日本では「英語を話せる」ことや「海外の文化を知っている」ことが評価される。就職活動でも、海外留学経験や高い英語力はアピールポイントだ。
しかし、海を越えればアラ不思議!
外国では、「日本語が母語」そして「日本の文化を知っている」ということが、そっくりそのまま武器になるのだ。だって、「皆んなができることじゃない」から。
例えば、シンガポールの公用語は英語・中国語・マレー語・タミル語の4つ。日本語学習者は多いが、ビジネス目的ではなく漫画・アニメの人気が強い。日本は「にほんの家」やドン・キホーテ、ぐでたまカフェなどさまざまな産業で圧倒的存在感を放っているけれど、それでも仕事で「日本語」をしっかりと使える上に、日本的な文化慣習までも理解している人材は、決して多くないはず。
そういった意味では、日本で就活をするよりも、海外に飛び出してしまった方が楽かもしれない。自分の希少価値が高まる場所で勝負できるのだ。
実際にシンガポールの採用面接の途中では、担当者にこう確認された。
So…Your mother tongue is Japanese right? (それでキミの母語は、日本語ってことで合ってるよね)
そうですと肯定すると、その男性はコクっと小さく頷いて満足気に微笑んだ。生まれ持って身についている日本語力を買われたわけだ。それでアメリカや欧州のクライアントに対して、日本チームとして日本市場調査をするポジションをもらうことができた。
当たり前に感じで盲点となりがちだけど、日本の外に出ると「日本語を話せる」というナチュラルな自分が強みになる。
海外で就職活動をするならば、履歴書の「Language」と言う項目には、必ず「Japanese (mother tongue)」(= 日本語は母語です!)を「English」よりも前に記載しておくと良いかも(=・ω・=)
