
シンガポール就労ビザが、また一段と厳しくなったらしい。
2019年1月現在、Employment Pass(エンプロイメントパス)の発行条件は月給3,600ドル(約30万円)以上、かつ十分な学歴(主に大学卒業以上)を保持していること。
細かな計算は知らないけれど、実際はこれに「年齢」や「前職までの固定給」など色んな要素が加わって、最終的にビザ発行となる給料のミニマム条件は上がることが多いそうだ。
ただでさえ「難しい」と叫ばれているシンガポール就職は、日本生まれ・日本育ちの新卒にとっても厳しい道だった。
私がシンガポールで新卒就活していた時に紹介された求人は、「営業」や「カスタマー・サービス(接客)」系、「通訳・翻訳」といったポジションが多数。業界は、製造業・食品・広告・インフラ系・化学系など多岐に渡った。
そして求人の「最低条件」のところには「2〜3年の営業経験がある方」や「業界経験がある方」など、経験者優遇の文言が書かれていることが多かった。
大学時代には海外でのプロジェクト・コーディネートや広報業務を経験していて、会社組織に関わるのは初めてではなかったけれど、それでも「新卒はいりません」と履歴書をスルーされることもしばしば。
実際シンガポールの新卒・現地採用ってされてますか?!とシンガポールの職業紹介エージェントに尋ねたところ、以下のように説明があった。
近年新卒の方が決まられたポジションとしましては、
1、コールセンター(ホテル予約関連、カスタマーサポートなど)
2、受発注管理
3、飲食業界のホールスタッフ
などとなります。
もちろんタイミングにより求人内容も異なりますので、一概には言いがたいのですが、実際に求人を選ぶことができないのも現状です。
ですよねー…。
シンガポールでは「実務経験」が重要視される求人が多く、ポテンシャル採用枠なるものは少ない。よっぽどの大手企業でない限り、入社後はOJT環境にぶっ込まれて、皆んなで足並み揃えて行う新人研修もないことが多い。
というのも一時滞在中の外国人労働者が多数を占め、かつ転職市場が活発なシンガポールでは、会社における「人の出入り」が激しいのだ。そのため企業も、すぐに退職者のリプレイスメントとして働ける「経験」と「知識」のある人材を求める傾向にある。
できれば日本で社会人経験を積んでノウハウをわかっていた方が有利だよ〜と、どのエージェントからもアドバイスを受けた。
実際にシンガポールの職業紹介エージェントからオファーされた求人
とは言え、新卒でも仕事を全く見つけられないわけではない。
実際に私が「とりあえず」と手始めに紹介してもらった求人には、こんなものがあった。
※社名は控えています。内容は一部抜粋で、若干表現を変えています。給料や条件に関する数字は変更していません。
インフラ事業の開発、商品生産・販売をしているメーカー

ポジション名 | Sales Executive |
仕事内容 | 日系企業への営業担当 |
月給 | SGD3,800〜5,000(30〜40万円) ※経験によって要相談 |
応募要件 | ・英語力:TOEIC850点以上(業務上の多くを英語で行なうため)。 ・日本企業におけるビジネスマナーや商習慣への理解があること。 ・社会人経験2〜3年 ・出張可能な方(日本や欧州に月1回ほど) |
シンガポール市内の某有名ホテル

ポジション名 | カスタマー・リレーション |
仕事内容 | フロントでの接客業務 |
月給 | Spass前提のSGD2,500(約20万円) -住居支給(ホテル内、無料) -食事(ホテル内のカフェ) -業績賞与 -シフト制度 |
応募要件 | ・英語力:TOEIC800点以上。 ・社会人経験2年(接客業の経験者優遇) ・コミュニケーション力が高い方。 |
化学メーカー(特殊合成ゴム・特殊オイル系)

ポジション名 | Translator for QA/QC Department |
仕事内容 | ・QA/QC(品質保証/品質管理)の通訳・翻訳(日本語⇔英語) ・日本本社とのメールや書類(作業標準書等)の翻訳 ・Web会議・電話会議や社員研修の通訳 ・日本からの出張者対応 ・その他、必要に応じて部内の総務業務 |
月給 | SGD4,000~6,000(約32〜48万円) |
応募要件 | ・日本語⇔英語の通訳・翻訳の経験がある方 ・コミュニケーション能力の高い方 ・化学関連企業での就業経験を優遇 ・ISOマネジメントシステム、品質保証/管理についての知識のある方は尚可 |
こんな感じでバラバラ紹介してくれる。
特殊合成ゴムとか(*゚∀゚*)??って感じだったけど。笑
特定の業界・業種にこだわらなければ、かなり幅は広がるかもしれない。
結果的に紹介してもらえた仕事内容をズラッと並べてみると、アルバイトでも通用するレベルだったり「King of 雑務!」的な内容もあったけど、諦めなければ新卒でも絶対に仕事は見つかる!!
どうしてもシンガポールで働きたい場合は、まずは母数を増やすべく、色々な案件を比べてみることをオススメします(=・ω・=)
そこから自分の理想のポジションに向けて条件を絞っていけば、ゆくゆくは何かにたどり着けるのではないでしょうか◎
他にもシンガポール就職に関する記事を書いています。よろしければ、こちら↓も覗いてみてください♪
